法隆寺地域の仏教建造物

奈良県生駒郡斑鳩町の法隆寺と法起寺からなる法隆寺地区の仏教建造物は、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。

姫路城と並んで、日本で初めての世界遺産として登録されました。
この遺産には、法隆寺の47棟と法起寺の三重塔など48棟が含まれています。法隆寺をはじめとする周辺の仏教建築物は、聖徳太子とのつながりが強く、中国の六朝時代の建築の影響を大きく受けています。特に法隆寺の西院伽藍は、創建年代については諸説ありますが、世界最古の木造建築として国際的に有名です。

登録履歴

法起寺

法隆寺などは、明治初期の廃仏毀釈で寺院の被害を受けましたが、後にこの方針が覆され、法隆寺の金堂や五重塔などの建物は、明治30年(1897年)に制定された「古社寺保存法」により国の文化財として保護されました。第二次世界大戦後は、1950年に制定された文化財保護法により、国宝・重要文化財に指定されました。時を経て、1993年に世界遺産に登録されました。

登録基準

この世界遺産は、以下の世界遺産登録基準に基づいて登録されています(以下の基準は、世界遺産センターが公表している登録基準を翻訳して引用しています)。
(1) 人類の創造的才能を表現した傑作。
(2) ある期間または文化的な領域における建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関して、人類の価値観の重要な交流を表したもの。
(4) 人類の歴史上の重要な時期を模範とする建築様式、建物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 現存する伝統、思想、信仰、または芸術的または文学的な作品に直接または実証的に関連する、顕著で普遍的な意義を持つ出来事(世界遺産委員会は、この基準は他の基準と併用することが望ましいと考えています)。
具体的には
(1) 法隆寺の建物は、木造建築物として構造、配置ともに傑作である。
(2) この建築群は、仏教伝来直後の時代に建てられたものであり、日本の宗教建築に多大な影響を与えたものである。
(4) 中国文化に適応し、日本の寺院建築をアレンジし、日本独自の様式を確立した代表的な建築群である。
(6) 日本への仏教の流入と聖徳太子による仏教の奨励は、仏教の地域への浸透の顕著な特徴である。